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編集記 〜2010年〜

編集記

師走(12月)

今年は、エコカー減税やエコポイントなど「エコ」がなにかと話題になった年でした。
生協をご利用の方々は、以前からエコロジーには関心が高く、お買い物にエコバッグ持参は当たり前。ペットボトル・アルミ缶のリサイクルや、リターナルビンの商品を買ったり、日頃から地球や環境のための活動をされたりと、エコロジーを実践されていらっしゃることと思います。(私は、長年牛乳屋さんにビン牛乳を届けてもらっています)

 さて、そんな方々でも、人生の最後に気づかないうちに、「地球に優しくないこと」をしてしまうことをご存知でしょうか?
お葬式にどうしても必要な「お棺」と「火葬」が、森林を破壊し、大量の二酸化炭素を排出しているのです。
「お棺」の多くは、熱帯林のラワン材の合板で作られ、「お棺」1本を作るのに必要な木材量を合板に換算すると約8枚、1年間の死亡者数が約110万人×8枚=880万枚。厚さ3ミリの合板を積み上げると26,400mで、なんと富士山7つ分の高さ。1年間にこれだけの木を燃焼させているのです。
また、1回の火葬に使われるエネルギーは、灯油に換算すると70リットル。これは4人家族が使うエネルギー量の1.3ヶ月分。110万人を火葬すると、77,000,000リットルで、18リットルのポリタンクなら427,777本になります。したがって、二酸化炭素も大量には排出されます。

「温暖家族のエコ葬物語」エコフューネラル協議会企画編集より

お葬式に関する事ではないのですが、皆さんは1秒間にサッカーコート1面分の森が、違法に伐採されたり、酸性雨や天災で荒廃し減少していることをご存知でしょうか?
私はその話を聞いたとき、驚くとともに「自分も何かしなくては!」と感じました。

ゆきげでは、今秋のリニューアルを機に、環境保全を推進する「生協」の考えから、「エコ棺」の取り扱いを始めました。
「エコ棺」は、一般の棺に比べ、木材の使用量も少なく、燃焼時の消費エネルギーも半減されます。また、売上げの一部は、「植林」や「森林間伐の資金」につなげています。

既にゆきげ葬で7件のご利用をいただいています。ご利用いただいた方から「少しでもCO2が出なければと思ってエコ棺を選びました」「エコ棺を使用したのは、故人もそう願っているだろうと思ったから」と感想を伺いました。
葬儀のご相談の中でも、「何かの役に立ちたい」と思っても臓器移植は抵抗があるけれど、「エコ棺」を利用して、植林という新しい命に繋がるなら是非利用したいと、おっしゃる方もいらっしゃいました。

 ゆきげは、価格を消費者本位に転換するための努力だけでなく、次世代のための社会貢献へのお手伝いも推進しています。

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神無月(10月)

最近、新聞や雑誌でもよく取り上げられ、書店でもみかけるようになった「エンディングノート」。
ゆきげでは2007年3月に「ゆきげのエンディングノート」を作り、県内各所で「エンディングノート」書き方セミナーを開催し、今年9月末までに3,138名の方にご参加いただきました。
参加者からは、「エンディングノートを手にしただけでは、なかなか書き込むことができなかったけれど、書き方セミナーに参加して、書けるところから書いていけばいいんだということがわかかりました。そしたら、気軽にいろいろ書け、書いた事によってまた自分の気持ちも整理されていくようです。」等々のご感想を頂いております。

「エンディングノート」の内容は、大切な方を心を込めてお見送りしたい・故人にふさわしいご葬儀がしたい・故人の希望をかなえたい、といったお気持ちがあるなら、確認しておきたい事項であり、お元気な今だからこそ、「聞いておけること」また「書いておけるもの」です。

「母の棺の周りには、好きな花をいっぱい飾ってあげたい」と思っても、さて、「何の花が好きだったのかしら? 」
「お経はいらない。好きな歌で送って欲しい」と常々言ってたお父さん。「お父さんの好きな歌ってなんだった?」・・・突然の混乱の中で、思い出せないこともあります。
四十九日が過ぎて、遺品を整理していたら、「私が死んだら、これをお棺に入れてください」と書いた封筒が出てきたけど、そんな想いがあったことなど何も聞いてなかったから、入れてあげることができなかった。

・・・こんなことにならないためにも、日頃からのコミュニケーションは大切です。

ところで、平成22年7月17日施行「臓器移植法の改正」により、本人の臓器移植の意思が不明の場合であっても、遺族が臓器移植を書面により承諾する場合、臓器移植が出来るようになりました。既に7月以降10件の摘出が行われ、年間でも10例弱だった改正前に比べて、多くなっています。
あるご遺族は、「本人(脳死と判定されたご家族)が臓器移植について『人の役に立つ良いことだから』と話していたので、意思を生かしてあげたい。誰かの中で生きて役に立ってくれることが誇りに思える」と語られ、
別のご遺族は、「臓器提供について本人と話をしたことはない。しかし、誰かの役に立てたい。体の一部がどこかで生きていてくれたらうれしい」と語られているそうです。
また、それとは別に、自分の意思に反して、臓器提供をされないように「私は、臓器を提供しません」と意思表示するために臓器提供意思表示カードを登録される方も増えているそうです。

臓器提供意思表示カードは日本全国の郵便局・都道府県庁・市町村役場・コンビニエンスストア・生活協同組合コープかながわの店舗などにあります

ご葬儀も含め、死後のことは自分ではどうすることも出来ません。ご自分の希望をかなえるためには、日頃からのご家族のコミュニケーションが大切です。
私たちの制作したエンディングノート、あるいは書き方セミナーが、ご家族のより深いコミュニケーションのきっかけとなり、少しでも多くの方々に、その意義に気づいていただき、話し合っていただければ、私たちにとってこんなにうれしいことはありません。

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編集記 葉月

4月に叔父(父の弟)が亡くなりました。子供の頃は、父の郷里に帰省した折に、時々会うこともあったのですが、最近は年賀状のやり取りだけで、最後に会ったのは、随分前・・・私の弟の結婚式の時だったように思います。
80歳を過ぎて元気に暮している様子でしたが、心不全だったとのことで突然の死でした。
家族だけでの葬儀にするとのことで、遠方でもあり、我が家からは父だけが参列しました。
四十九日を過ぎて間もなく、故人の息子(私にとってはいとこ)が挨拶に我が家を訪れました。
いとことは、ほとんど初対面。でも、私が記憶している若い時の叔父に良く似ていて、話し方など、そっくりなのに驚かされました。
子供のときに一緒に遊んだ記憶はありませんでしたが、曽祖父・曽祖母・祖父・祖母の思い出話になると、共通した記憶が多いことにまた、驚かされました。
中庭の池に鯉がいたこと。消防士だった祖父の記念に消防士の置物があったこと。神社のお祭りには、見世物小屋があったこと。近くの海で泳いだ時、くらげがいっぱいいたこと。曽祖母・祖母はいつも着物を着ていたこと。納戸に大きな長持があって、何が入っているのか興味があったけれど、お化けが出てきそうでふたを開けられなかったこと・・・。
ほとんど初対面でしたのに話はつきませんでした。
50歳を過ぎた大人が、いきなり「○○ちゃん」と名前にちゃん付けで呼び合ってしまうのも、血の繋がっているということなのかなぁと思いました。
ふと床の間を見ると、いつの間にかそこに大きなクモが動かずじっとこちらを見ていました。「輝夫さん(叔父)も喜んで話に入りたいって出てきたんだよ」という母の言葉に、みんながなんとなく納得して、しんみりしてしまいました。
叔父の死は、辛く、悲しい出来事でしたが、それによっていとこと私の家族に、新たな絆が生まれたように思います。

ほんの十数年前、葬儀はご近所や友人・知人、勤め先の方々など、故人と関わった人の多くが集い、執り行ったものでした。バブル全盛のころは、大がかりになりすぎたきらいもあり、葬儀の意義を疑問に思ったりしたものです。
しかし、叔父の死を通し、葬儀とは、故人を知る人たちをたぐり寄せ、遠くなりつつあった絆を、新たにつなぐための儀式なのかもしれない、といった感慨を持ちました。
「人の死は、葬儀という形をとって、新しいつながりを生む」、そう考えると、「死」も「葬儀」も、なんだか温かいものに思えます。
最近少なくなった、故人と関わりのあった人がみんな集まる伝統的な葬儀ですが、確かに準備など大変な事もありますが、やはりそれに見合う良さがあるのではないかと感じました。

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皐月

2009年度1年間のゆきげへのお問合せ件数は18,338件で、そのうちの約1割の2,078件がホームページからの資料請求やお問い合わせでした。
ゆきげは神奈川県内の生協組合員のための葬祭サービスですが、インターネットで広くお知らせしていますので、神奈川県外からのお問い合わせも頂戴します。

先日、千葉県の方より、ゆきげホームページから資料請求がありました。ゆきげは千葉県で葬儀のお手伝いが出来ませんので、ゆきげの資料は葬儀一般の情報として参考にしていただくためにお送りして、千葉の生協でも葬祭サービスを行っていますので、そちらをご案内するメールを送りました。
その方から、メールの返信がありました。

早速の資料送付および連絡ありがとうございました。
私の住んでいるところは千葉なのですが、今回、義父(かみさんのお父さん)の具合が悪く、横須賀市在住です。家族も横須賀市です。今は横須賀の病院に入院しています。
なので、神奈川で探し、御社の資料を請求させていただいた次第です。正式依頼は、横須賀在住の義母になると思います。
資料を拝見させていただき検討したいと思います。
医者からは、あと2〜3日だろうといわれています。


このような時、一瞬言葉に詰まります。
葬儀に携わる仕事をしていても、相手の方のご心痛を思うと、軽々しく慰めや励ましの言葉を口にすることは出来ません。

「お葬式のことを調べるなんて不謹慎ではないか」と迷いながらも、大切な方を後悔なくお送りするにために、インターネットで他県の葬儀社を調べて、勇気をもってお問合せいただいたのですから、そのお気持ちに応えるため、必要とする情報は適時に提供することに努めています。

お義父様、ご心配なことと存じます。
大切な方を後悔なくお送りするにためには、事前の知識が重要です。
ご心配な点がございましたら、メールまたは直接お電話でお問合せください。

どうぞ、お疲れが出ませんように。


メールでのお問合せに直接お電話することはしませんが、安心して看病に専念していただくために、わからないことはいつでもお問合せくださいとの気持ちを込めて返信させて頂きました。

お気遣いありがとうございます。
事前の知識が重要ですね。
備えあれば憂いなし。
それが結局はお義母さんや家族の心の負担を少しでも軽くできます。
今日から我々夫婦は病院に泊まりこみです。
かみさんはサイドベッドで、私は車の中で寝ます。


再びメールを頂戴いたしました。
ご家族で支え合っていらっしゃる温かさが伝わってまいりました。
そうして、大切な方を心を込めてお見送りするために、事前の情報を得ることは決して不謹慎なことではないというゆきげの考えをきちんとご理解いただいて安心しました。


このご相談が無駄になることが一番良いのですが、
万一のときは、どうぞ、ご家族みなさんで、後悔なくお父様をお見送りできますようにと、お祈りしております。

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弥生

グリーフサポートの取り組みをする中、うれしい報告も聴けるようになりました

ゆきげでは、2007年10月から「雪わり草」の取り組みを始め、大切な方を喪った悲しみ・お悩み、あるいは何気ない日常の事などを、延べ1,815人(2010年2月20日まで)の方と、お電話でお話しさせていただきました。
また2008年10月からは、「大切な存在を喪った想いを言葉にし、わかち合うことで気持ちの折り合いをつけられるような会」を持ちたいという思いから「わかち合いの会」を立ち上げ、これまでに2か月に1回の割合で計8回、開催して参りました。
みなさまのお気持ちをお聴きする中で、私たち「雪わり草」スタッフもいろいろな面で成長させていただき、深く感謝しております。

今から3年以上前、まだグリーフサポートの準備段階だった2006年12月、ご主人様を亡くされて大変混乱されているMさんより、ご葬儀の翌日にお電話がありました。「今は、悲しみがいっぱいで、何から手をつけたらいいかわからない」と、つらいお気持ちとこれからしなければならないであろう事務手続きのことを興奮したお声で話されていました。
その時の私は、まだ何のノウハウもありませんでしたが、一人の人間として、「私でも何かお役に立てることはないか」といった思いで、お話を聴き続けていました。

あれから月日は流れ、Mさんとはその後22回電話でお話しし、「わかち合いの会」でお会いすることも出来ました。
ゆきげ「ほっとライン」
を日曜日にお受けすることにしたのは、Mさんとのお話の中で「みんなが楽しそうにしている日曜日がつらい」という言葉を参考にしました。

Mさんは、悲しみのどん底であった最初のお電話の時から、「今はとても無理ですが、落ち着いたら、自分の体験を元に私のように伴侶を亡くされた方のために何かしたいと思っています」と話され、「雪わり草」に取り組んでいる私をいつも励ましてくださいました。

そんなMさんに昨年転機が訪れたようです。
生後2ヶ月の猫の里親になられ、結婚以来ご主人と二人で静かにきれいに整理整頓して暮していたご自宅が、ダンボールとガムテープで囲いを作るような部屋に変わってしまったそうです。「静かすぎる一人暮らしが一変してイタズラ坊やとの攻防で知恵比べをする毎日です」というお年賀状からは、最初の頃には感じられなかった「生活感」があふれていました。

アニマルセラピーも盛んになってきているようですが、誰もが動物を飼えば元気になるわけではないでしょう。
Mさんも1年前に猫に出会っていても、一緒に暮すようになっていたかどうか。
悲しみから立ち直るには、お一人おひとりのペースがあり、きっかけは様々だとあらためて感じます。でも、悲しみから逃げないで、どんなにつらくても悲しみを受け入れてきたMさんだからこそ、今に辿りつけたのだと思います。

お話を聴くことで、悲しみと向き合うお手伝いが出来たのなら、うれしく思います。
「以前は、1日中泣いていましたけど、最近では週に1・2回になりました。それくらいはいいですよね」とおっしゃるMさんの声は確かに前を向いているように感じました。

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新春

お葬式に関心がおありの方でしたら、最近「直葬」という言葉を耳にされたことがあるかと存じます。亡くなった後24時間どこかでご遺体を保管した後に、今までのような通夜・告別式をしないで、すぐに火葬することで、ここ数年東京では20〜30%が直葬とも言われています。また、お葬式は従来どおりの形でしますが、数人の家族だけでお見送りする「家族葬」も増えています。
この様な中、「ゆきげ」が、1年に2回希望者にお送りしています「ニュースレターゆきげ倶楽部」の返信ハガキで、次のような貴重なご意見を頂戴しました。

“ゆきげ葬の良心的な運営は評価されつつありますが、家族葬にしたいと考えている一般の人には、「家族葬はよくない」という生協の方針を告げられることが多いという感想をよく聞きます。具体的によく説明して誤解されないように努力する必要があると思います。(横浜市磯子区 T・M様 70代 女性)”

「ゆきげ」は、「家族葬はよくない」とは決して考えておりません。
実際に家族・ご親族だけのご葬儀も多く行わさせていただいております。
下記の表は、2009年度12月までと10年前の1999年度に施行したゆきげ葬の会葬人数別葬儀件数の割合です。

会葬人数別施行割合 10年前との比較

会葬人数別施行割合 10年前との比較

表から、10年前でも会葬者0人のごく内輪の葬儀は15%あり、今年度は25%まで増えていることがわかります。
また、10年前は会葬人数が51〜300人の葬儀が全体の65%と半数以上でしたが、今年度は会葬人数が0〜50人の葬儀が全体の56%となっており、実際に葬儀をされた方からは、「家族葬でとてもよくやっていただいた」「身内だけの葬儀で良かった」という声を頂いております。
では、なぜ「ゆきげ」は、「家族葬はよくない」といっているように思われてしまうのか・・・それは私共のお知らせの仕方に問題があるのだと反省しています。
ここ数年、多くの葬儀社が「家族葬パック○○万円」といったキャッチコピーを用い、「家族葬=低額で葬儀ができる」といったイメージを作り上げました。しかし、イメージが先行し過ぎ「結果的に予算をオーバーした」等のトラブルが発生しています。また、親子・親戚・親しい友人のどこまでが「家族葬」の対象になる「家族」なのかといった、言葉の曖昧さもあり、その認識の違いから、親戚間で食い違いが生じるなどといったことも少なくありません。
そういったトラブルを防ぐ意味から「ゆきげ」ではチラシなどで「家族葬」=「家族葬パック」=「安い」と安易に考えないでとお伝えしています。心のこもったお葬式をするために、「家族だけ」でどのようにお見送りしたいのか=「出来るだけ費用を抑えたいのか」、「少人数でゆっくりとお別れをしたいのか」等をよく考えた上で、葬儀の形を考えていただきたいと願っています。そして、どのような形であれ、「いいお葬式だったねぇ〜」とご満足いただけるような「お別れ」を形にして提案したいと考えています。
しかしそのような考えが伝えきれず、ゆきげは「家族葬はよくない」と考えている、と思われてしまっているとしたら、それはやはり真摯に反省すべきことです。
ゆきげでは、「家族葬パック○○万円」はなくても、写真つきで金額のわかるパンフレットでご相談しますので、後になって「こんなはずじゃなかった」という心配もありません。大切な方との最期の時を、悔いのない時間にするために、「ゆきげ」は皆さんにもっと「お葬式の話」をして頂きたいと思います。

「坊主は呼ばなくていい、俺の好きな歌で送ってくれ」とおっしゃっているお父様がいらしたら、その好きな歌を一緒に歌って、なぜその歌が好きなのかをゆっくりうかがってください。きっとお父様の人生が少しは理解でき、これから先をどのように生きていきたいのかわかってくるのではないでしょうか。
死は辛く悲しいものですが、決してそれだけのものではありません。このような関わりの中に「死を通して一人ひとりが生きることの尊さに思いを馳せる大切な時間」と「ゆきげ」は考えています。


編集記担当:川嶋

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